saitama univ.

学術講演会 (第1回)


(2009年11月13日)

Advancing image processing and immersive visualisation technologies for knowledge based aerostructure assessment and medical treatment


講 師:Professor Lik-Kwan Shark,

     Head of ADSIP Research Centre, University of Central Lancashire, United Kingdom

     プロフィール 

     セントラル・ランカシャー大学 教授
     デジタル信号と画像処理を専門とし,特に航空機の非破壊検査と医療分野への応用展開を行っている.

     ADSIP((Applied Digital Signal and Image Processing;デジタル信号と画像処理応用)プロジェクト

     professor Shark

講演内容

セントラル・ランカシャー大学はイギリスのマンチェスターやリバプールの近く,プレストンにある.
世界第3の航空機産業地帯で, 航空機関連の会社は1000あまり.

人類の持つ力は筋肉→道具→知識へと進歩している.
現代は,データ,情報から生じた知識が一番重要である.
そこで,画像処理による,知識獲得を目標として研究開発を行っている.

航空機製造にあっては多くのデータが生じる.たとえば, 設計時には「シミュレーションデータ」, 製造時には「生産データ」, 稼動時には「操作データ」等. これらを適切に処理することで,大量の有用な知識が得られる.

たとえば,航空機のレーザパルスによる反射波により,非破壊検査が可能である.
また,航空機の飛行状況を考え,3Dメッシュモデルを視点方向によって形状を変化させる. その変形を考慮した2次元マッチングによる機体認識,姿勢認識を研究している.
同様に,ある部品に対して,X線画像,レーザ反射画像,色々な検査画像から情報を得ることを検討.

1000ptの検出データは多次元(1000次元)上の1点になる. ライフサイクルの間,そのデータがどの位置を動くかを探り,それが安全域か,危険域かを判定できる.

医療応用としての画像処理としては,3次元CTスキャンデータから3次元内臓セグメンテーションを行った. 内臓は,筋肉の動きによって,変形するが,その輪郭線の変化についても追従できるように研究した.

3次元可視化とバイオフィードバックとしては,部品のサーモグラフィ画像を立体視できるようにした. ユーザの移動に伴って,色々な方向からう検査結果を3D画像で確認することが可能になっている.

人間のジェスチャ認識も行っている.ボディジェスチャを上部6方向からのカメラ動画で人体の各ポイントの位置を認識して,リアルタイムで動作を認識できる.

表情認識では,幸せ,怒り,不快,恐怖などの感情を,弱,中,強などの程度で認識したり,複合した感情を検出する試みをおこなった.手法としては,顔の3次元モデルをメッシュに切り,各100ポイントとのマッチングをとっている. 各ポイントの距離を計算し,表情の成分が計算できる. また,表情は変化するプロセスであり,ふつうの顔から徐々に笑顔になる.その様子を計測して,ポイントの移動履歴で記述できる.

遠隔地での情報共有:13のヨーロッパ企業間で,航空機製造現場における遠隔地でのデータの情報共有についての研究開発をおこなっている. Webブラウザ上で,部品の試験情報を送受信したり,ユーザ間テレビ電話の様な機能,図面などの情報伝達が可能である.

以上,1時間半にわたり,多様な研究の内容を紹介していただいた.

 

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